肩関節脱臼専門外来

dislocation specialty

繰り返す肩の脱臼でお困りではありませんか?

肩関節は人体の中で最も可動域が広く、さまざまな方向に動かせる一方、外傷やスポーツ動作によって脱臼しやすい構造を持っています。 一度脱臼すると、関節唇や靱帯などの組織が損傷し、不安定性が残って再脱臼(反復性脱臼)を起こしやすくなります。 特に若年層やコンタクトスポーツを行う方は再発率が高く、適切な治療とリハビリが重要です。

主な対象となる症状・疾患

初回脱臼

転倒やスポーツ中の衝撃などで発症。関節唇や靱帯の損傷を伴うことがあります。

反復性肩関節脱臼

一度外れた後、日常生活や軽い動作でも脱臼を繰り返す状態。若年者ほど再発リスクが高いです。

亜脱臼(部分的脱臼)

完全には外れず、動作時に「抜ける感覚」や痛み、不安定感が生じます。

関節唇損傷(バンカート損傷)

脱臼時に関節唇が剥がれ、安定性が低下します。

骨欠損(ヒルサックス病変、関節窩骨欠損)

脱臼の衝撃で骨が削れ、再発しやすくなる状態。

診断の流れ

01

問診・診察

  • 発症の状況や回数、スポーツ歴などを丁寧に確認します。
02

画像検査

  • ・レントゲン:骨や関節の位置、変形の有無を確認
  • ・エコー(超音波):筋肉や腱の損傷、炎症の状態をリアルタイムで確認
03

不安定性テスト

  • 肩関節のぐらつきや動きの範囲を確認し、再脱臼リスクを評価します。

治療方法

症状や年齢、活動レベルに応じて最適な治療を行います。

保存療法

初回脱臼で骨・軟部組織の損傷が軽度の場合
固定(スリング)+炎症軽減治療
専門的リハビリで筋力・安定性を回復し再発予防

手術療法

再脱臼リスクが高い場合や、保存療法で改善しない場合に行います。
関節鏡視下バンカート法:損傷した関節唇と靱帯を修復
関節鏡視下バンカート&ブリストウ法:骨欠損が大きい場合に骨移植を併用し安定性を強化
※いずれも小切開で行う低侵襲手術のため、術後の回復が早いのが特徴です。

リハビリテーション

脱臼後の再発予防には、適切な固定と段階的なリハビリが不可欠です。
当院では理学療法士が

  • 可動域回復
  • インナーマッスル強化
  • スポーツ特有の動作復帰

まで一貫してサポートします。

脱臼したときの応急処置

肩関節が脱臼した場合は、自分で無理に戻そうとしないことが最も重要です。
誤った整復は神経や血管、軟骨を損傷し、症状を悪化させる恐れがあります。

  • 腕を動かさず安静にする 脱臼側の腕を動かさず、体の横に添えるか三角巾やタオルで軽く吊ります。
  • 冷却する 氷や保冷剤をタオルで包み、肩周囲を冷やして腫れと痛みを軽減します。(20分を目安に間隔をあけながら)
  • 早急に医療機関を受診 できるだけ早く整形外科で整復・固定を受けることが再発予防につながります。

再発予防ストレッチと筋力トレーニング

肩関節脱臼後は、インナーマッスル(肩の深部筋)や肩甲骨周囲筋の強化が再発防止に重要です。
以下は術後リハビリや医師の許可後に行うセルフケア例です。

肩甲骨の内転・外転運動

背筋を伸ばし、肩甲骨を背中の中央に寄せる・開く動きをゆっくり繰り返します。

セラバンド外旋運動

ゴムバンドを使い、肘を90度に曲げたまま外方向に開く動きでインナーマッスルを鍛えます。

壁押し運動

壁に手のひらをつけ、軽く押し続けることで肩の安定性を高めます。

軽度の肩回しストレッチ

痛みがない範囲で前回し・後ろ回しを行い、肩関節の柔軟性を維持します。

※痛みや違和感がある場合は中止し、必ず医師や理学療法士の指導のもとで行ってください。

よくある質問(FAQ)

Q.脱臼したら自分で戻してもよいですか?

無理に戻すと損傷が悪化する恐れがあるため、必ず医療機関で整復してください。

Q.初めての脱臼でも手術が必要ですか?

年齢やスポーツレベル、損傷の程度によっては初回でも手術を検討します。

Q.手術をすると再発は完全に防げますか?

再発率は大きく低下しますが、100%防げるわけではありません。適切なリハビリと生活習慣の工夫が重要です。

Q.手術後どのくらいでスポーツに復帰できますか?

競技にもよりますが、一般的には4〜6カ月が目安です。

Q.学生ですが部活を休まず治療できますか?

保存療法であれば継続できる場合がありますが、再発リスクが高いスポーツは制限が必要です。

Q.亜脱臼は放置しても大丈夫ですか?

放置すると関節や軟骨の損傷が進み、将来的に関節症の原因となる可能性があります。

Q.何回脱臼したら手術を考えたほうがいいですか?

2回以上の再発や日常生活での不安定感がある場合は、手術を検討すべきです。

Q.高齢でも手術は可能ですか?

全身状態によりますが、体力や骨質に問題がなければ可能です。

Q.手術後は肩をどのくらい固定しますか?

一般的には3〜4週間程度スリングで固定します。

Q.保存療法と手術、どちらがよいですか?

年齢・生活スタイル・スポーツレベル・損傷の程度を総合的に判断して選択します。

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