肩関節脱臼専門外来
dislocation specialty繰り返す肩の脱臼でお困りではありませんか?
肩関節は人体の中で最も可動域が広く、さまざまな方向に動かせる一方、外傷やスポーツ動作によって脱臼しやすい構造を持っています。 一度脱臼すると、関節唇や靱帯などの組織が損傷し、不安定性が残って再脱臼(反復性脱臼)を起こしやすくなります。 特に若年層やコンタクトスポーツを行う方は再発率が高く、適切な治療とリハビリが重要です。
主な対象となる症状・疾患
初回脱臼
転倒やスポーツ中の衝撃などで発症。関節唇や靱帯の損傷を伴うことがあります。
反復性肩関節脱臼
一度外れた後、日常生活や軽い動作でも脱臼を繰り返す状態。若年者ほど再発リスクが高いです。
亜脱臼(部分的脱臼)
完全には外れず、動作時に「抜ける感覚」や痛み、不安定感が生じます。
関節唇損傷(バンカート損傷)
脱臼時に関節唇が剥がれ、安定性が低下します。
骨欠損(ヒルサックス病変、関節窩骨欠損)
脱臼の衝撃で骨が削れ、再発しやすくなる状態。
診断の流れ
問診・診察
- 発症の状況や回数、スポーツ歴などを丁寧に確認します。
画像検査
- ・レントゲン:骨や関節の位置、変形の有無を確認
- ・エコー(超音波):筋肉や腱の損傷、炎症の状態をリアルタイムで確認
不安定性テスト
- 肩関節のぐらつきや動きの範囲を確認し、再脱臼リスクを評価します。
治療方法
症状や年齢、活動レベルに応じて最適な治療を行います。
保存療法
初回脱臼で骨・軟部組織の損傷が軽度の場合
固定(スリング)+炎症軽減治療
専門的リハビリで筋力・安定性を回復し再発予防
手術療法
再脱臼リスクが高い場合や、保存療法で改善しない場合に行います。
関節鏡視下バンカート法:損傷した関節唇と靱帯を修復
関節鏡視下バンカート&ブリストウ法:骨欠損が大きい場合に骨移植を併用し安定性を強化
※いずれも小切開で行う低侵襲手術のため、術後の回復が早いのが特徴です。
リハビリテーション
脱臼後の再発予防には、適切な固定と段階的なリハビリが不可欠です。
当院では理学療法士が
- 可動域回復
- インナーマッスル強化
- スポーツ特有の動作復帰
まで一貫してサポートします。
脱臼したときの応急処置
肩関節が脱臼した場合は、自分で無理に戻そうとしないことが最も重要です。
誤った整復は神経や血管、軟骨を損傷し、症状を悪化させる恐れがあります。
- 腕を動かさず安静にする 脱臼側の腕を動かさず、体の横に添えるか三角巾やタオルで軽く吊ります。
- 冷却する 氷や保冷剤をタオルで包み、肩周囲を冷やして腫れと痛みを軽減します。(20分を目安に間隔をあけながら)
- 早急に医療機関を受診 できるだけ早く整形外科で整復・固定を受けることが再発予防につながります。
再発予防ストレッチと筋力トレーニング
肩関節脱臼後は、インナーマッスル(肩の深部筋)や肩甲骨周囲筋の強化が再発防止に重要です。
以下は術後リハビリや医師の許可後に行うセルフケア例です。
肩甲骨の内転・外転運動
背筋を伸ばし、肩甲骨を背中の中央に寄せる・開く動きをゆっくり繰り返します。
セラバンド外旋運動
ゴムバンドを使い、肘を90度に曲げたまま外方向に開く動きでインナーマッスルを鍛えます。
壁押し運動
壁に手のひらをつけ、軽く押し続けることで肩の安定性を高めます。
軽度の肩回しストレッチ
痛みがない範囲で前回し・後ろ回しを行い、肩関節の柔軟性を維持します。
※痛みや違和感がある場合は中止し、必ず医師や理学療法士の指導のもとで行ってください。
よくある質問(FAQ)
無理に戻すと損傷が悪化する恐れがあるため、必ず医療機関で整復してください。
年齢やスポーツレベル、損傷の程度によっては初回でも手術を検討します。
再発率は大きく低下しますが、100%防げるわけではありません。適切なリハビリと生活習慣の工夫が重要です。
競技にもよりますが、一般的には4〜6カ月が目安です。
保存療法であれば継続できる場合がありますが、再発リスクが高いスポーツは制限が必要です。
放置すると関節や軟骨の損傷が進み、将来的に関節症の原因となる可能性があります。
2回以上の再発や日常生活での不安定感がある場合は、手術を検討すべきです。
全身状態によりますが、体力や骨質に問題がなければ可能です。
一般的には3〜4週間程度スリングで固定します。
年齢・生活スタイル・スポーツレベル・損傷の程度を総合的に判断して選択します。