肩の痛み・肩関節治療

shoulder

寝返りをうった時など、ふとした瞬間に肩がガクッとずれるような感覚がある

この症状、ありませんか?

  • 衣類を着脱する時や、腕を後ろに回した時に肩が抜けそうな感じがする
  • 腕を動かすと「ゴリゴリ」という音がする、または違和感を覚える
  • 肩が外れるのではないかという不安感や恐怖心がある
  • 肩を上げようとすると、急に力が抜けてしまうことがある

なぜこの症状が?考えられる主な原因

肩がガクッとずれるような感覚は、多くの場合、肩関節の不安定性や亜脱臼が主な原因として考えられます。肩関節は、他の関節に比べて非常に広い可動域を持つ一方で、その安定性は周囲の靭帯、関節包、筋肉の働きに大きく依存しています。これらの組織に問題が生じると、肩関節の安定性が損なわれ、特定の動作で「ずれる感覚」が生じるようになります。考えられる主な原因は以下の通りです。

  • 肩関節亜脱臼・不安定症 肩関節は、その広い可動域ゆえに不安定になりやすい特徴を持っています。スポーツや転倒などの外傷がきっかけで、関節を安定させる役割を担う靭帯や関節包といった組織が損傷すると、肩が抜けやすい状態になります。一度この状態になると、関節を支える組織が弱まり、寝返りや衣類の着脱といった日常的な軽い動作でも亜脱臼を起こすことがあります。亜脱臼とは、関節が完全にはずれず、一時的にずれてすぐに元の位置に戻る状態を指します。この症状を繰り返す状態は「反復性肩関節脱臼」と呼ばれ、特に若い方が一度脱臼を経験すると、その後再発しやすい傾向があります。症状が重い場合には、軽微な動作でも不安定感を感じることがあり、この感覚が「ガクッとずれる」という自覚症状に繋がります。
  • 腱板損傷(けんばんそんしょう) 腱板は、肩甲骨から上腕骨にかけて付着する四つの筋肉の束で、腕をスムーズに動かしたり、肩関節の安定性を保ったりする重要な役割を担っています。加齢による腱の変性や、肩の使い過ぎ、転倒などの外傷によって、この腱板が部分的に損傷する場合があります。腱板の損傷によって肩の安定性が損なわれると、腕を上げる動作で力がうまく入らなくなったり、特定の角度で「ガクッ」という感覚や引っかかり、痛みを引き起こすことがあります。この症状は、亜脱臼と似た感覚を伴うため、正確な診断が必要です。
  • 生まれつきの関節のゆるみ(動揺肩) 明らかな外傷の既往がなくても、生まれつき全身の関節が柔らかい体質(関節弛緩性)を持つ方がいます。このような体質の場合、関節を安定させる構造が緩く、日常生活での軽微な負担の積み重ねで肩関節が不安定になることがあります。外傷が原因ではないため、ご自身では何が原因か分からず、肩の違和感が慢性化しているケースも少なくありません。

これらの症状は、ご自身で判断することが難しく、複数の原因が複合的に関与している可能性もあります。原因を正確に特定することが、適切な治療への第一歩となります。自己判断は、正確な診断を遅らせたり、適切な治療の機会を逃したりする可能性があるため、専門医の診察を受けることが大切です。

診断について

当院では、患者様の「肩がガクッとずれる」という感覚について、単なる自覚症状として捉えるのではなく、その背景にある病態を詳細に探ることから始めます。正確な診断のために、以下の手順で多角的に肩の状態を評価します。

まず、詳細な問診を行います。いつから、どのような状況で症状が始まったのか、スポーツや転倒などのケガの既往はあるか、また、どのような動きで症状が悪化するのかなど、患者様の生活状況や症状の経過を詳しくお伺いします。この過程を通じて、症状が起こるメカニズムの手がかりを掴みます。

次に、視診と触診を行います。肩の輪郭に明らかな変形や腫れがないか、また、肩甲骨の位置や筋肉の緊張、圧痛の有無を丁寧に確認します。特に、亜脱臼の場合は目に見える変形がないことが多いため、視診だけでは判断が難しく、続く触診や徒手検査が重要になります。

さらに、肩関節の不安定性や腱板の損傷を評価するための徒手検査を実施します。これは、画像検査では捉えにくい、関節の動的な不安定性や筋肉の機能を評価するために非常に重要です。徒手検査では、医師が患者様の腕を特定の方向に動かしたり、力を加えていただいたりすることで、肩の不安定感や痛みの有無を詳細に調べます。例えば、腕を後ろに回した時に肩が抜けそうな不安感がないかを確認する検査などがあり、肩関節がどの方向に不安定になっているかを把握することができます。

これらの診察や検査を通して、肩の不安定感の原因を正確に診断し、患者様に最適な治療法をご提案します。

治療について

診断に基づき、患者様の症状や原因となっている病態、ライフスタイルに合わせて最適な治療法をご提案します。肩関節の不安定症や亜脱臼、腱板損傷の治療は、主に保存療法が中心となります。

  • 安静と固定 痛みが強い急性期には、三角巾や装具を使用して肩関節の安静を保つことが重要です。これにより、炎症を軽減し、損傷した組織の回復を促します。特に、亜脱臼を繰り返す場合は、無理な動作を避けることで症状の悪化を防ぎます。
  • 薬物療法 痛みや炎症を抑えるために、内服薬や外用薬(湿布など)を処方することがあります。これは、痛みによる生活上の不自由を軽減し、その後のリハビリテーションをスムーズに進めるための補助的な役割を果たします。
  • リハビリテーション 痛みが落ち着いてきたら、理学療法士の指導のもと、リハビリテーションを開始します。リハビリは、単に痛みを和らげるだけでなく、肩の安定性を根本的に改善し、再発を防ぐために不可欠です。肩関節を安定させる役割を担う腱板筋群などのインナーマッスルや、肩の土台となる肩甲骨周囲の筋肉を強化する運動を行います。肩甲骨の動きを正常化することで、腕を上げた時の肩関節への負担が減少し、不安定感を軽減することが期待できます。当院では、患者様一人ひとりの病状と目標を考慮し、再発予防も含めた治療計画を丁寧にご説明しながら進めてまいります。

症状を和らげるために(医師に相談の上で)

以下の情報は一般的なものであり、自己判断での対処は危険です。必ず医師の診断と指示に従ってください。専門医の指導のもと、日々の生活でできる工夫を取り入れることで、治療効果を高め、症状の改善を目指すことができます。

  • 肩に負担のかかる動作を避ける 特に腕を高く上げたり、後ろに大きく回したりする動作は、肩関節への負担が大きいため控えましょう。日頃から、肩に負担がかかるような姿勢や動作を意識的に見直すことが大切です。
  • 適切なストレッチと筋力トレーニング 痛みが落ち着いている時期には、医師や専門家の指導のもと、肩甲骨周りの筋肉をほぐしたり、インナーマッスルを強化する軽い運動が有効です。これにより、肩の柔軟性が向上し、関節が安定することで、症状の再発予防にも繋がります。
  • 温める、または冷やす 炎症が強く、熱感やズキズキとした痛みがある急性期には、患部を冷やすことで痛みが和らぐことがあります。一方、慢性的な痛みや肩のこわばりを感じる場合は、お風呂などで患部を温めることが血行促進に繋がり、効果的です。温めるか冷やすかは、症状の段階によって使い分けることが重要です。

これらの自己対処法は、あくまで専門的な治療を補完するものです。症状の根本的な改善には、まず専門医の診断を受けることが不可欠です。

一緒に見られることのある関連症状

肩のガクッとずれる感覚と同時に、以下のような症状が見られることもあります。

  • 肩を動かすときの痛みや、夜間のうずくような痛み
  • 肩の不安定感や脱臼しそうな不安感
  • 肩や腕に生じるしびれ
  • 肩を上げようとしても力が入らない感覚

これらの症状が複合的に見られる場合は、様々な疾患の可能性が考えられます。

その肩の違和感、見過ごさないでください

「肩がガクッとずれるような感覚」は、単なる気のせいではなく、肩関節の不安定性や損傷が原因である可能性を示唆しています。この症状を放置すると、肩関節の安定性がさらに損なわれ、より不安定な状態に陥り、再発しやすくなるリスクがあります。また、慢性的な痛みに繋がり、着替えや寝返りといった日常生活の動作に大きな支障をきたす可能性も否定できません。

しかし、ご自身で判断せず、早期に適切な診断と治療を開始すれば、その不安や痛みから解放され、安心して生活を送ることができます。専門医による正確な診断と、それに合わせた適切な治療、そして日々のリハビリテーションを継続することで、肩の機能を回復させ、再発を予防することが可能です。「たかが肩の違和感」と思わず、まずは一度、専門医にご相談ください。

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