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腸脛靭帯炎(ランナーズニー)

症状

腸脛靭帯炎は、その名の通りランナーに多く発生する膝の外側の痛みで、「ランナーズニー」とも呼ばれます。 主な症状は、ランニング中やその後に現れる膝の外側の鋭い痛みや、焼けるような痛みです。特に、走り始めてから一定の距離や時間が経つと痛みが出始め、徐々に強くなって走れなくなるのが特徴です。下り坂を走る際に痛みが誘発されやすい傾向もあります。 痛みは、膝の外側にある骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)の周辺に限局しており、その部分を押すと強い痛み(圧痛)があります。初期はランニング中のみの痛みですが、悪化すると歩行や階段昇降など、日常生活の動作でも痛みを感じるようになります。

原因

腸脛靭帯炎は、オーバーユース(使いすぎ)によるスポーツ障害です。骨盤からすねの骨の外側にかけて伸びる長い靭帯「腸脛靭帯」が、膝の曲げ伸ばしの際に、膝の外側にある大腿骨外側上顆という骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)と繰り返しこすれることで、摩擦による炎症が生じ、痛みを引き起こします。 発症の要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • トレーニングの問題: 急激な走行距離の増加、オーバートレーニング、休養不足。
  • 身体的な要因: 腸脛靭帯や臀部(お尻)の筋肉の柔軟性低下(硬さ)、股関節外側の筋力(中殿筋など)の低下。
  • 環境・フォームの問題: 硬い路面や下り坂でのランニング、クッション性の悪いシューズ、膝が内側に入る(ニーイン)などの不適切なランニングフォーム。

診断

診断は主に、特徴的な症状の問診と身体診察によって行われます。膝の外側(大腿骨外側上顆)に明らかな圧痛があるかを確認します。また、腸脛靭帯の硬さを評価する徒手検査(オーバーテスト)や、痛みを誘発するテスト(グラスピングテスト)などを行い、診断の裏付けとします。 通常、画像検査は必須ではありませんが、他の疾患(半月板損傷など)との鑑別のためにレントゲンやエコー検査を行うことがあります。エコー検査では、炎症を起こして厚くなった腸脛靭帯や、その下にある滑液包の炎症などを確認できる場合があります。

治療

治療の基本は、原因となった負担を取り除く保存療法です。一度発症すると治りにくい傾向があるため、初期の適切な対応が重要です。

  • 安静・ランニングの中止: 痛みの原因であるランニングを一時的に中止し、局所の安静を図ることが最も重要です。
  • アイシング: 練習後や痛みが強いときには、患部を冷却して炎症を抑えます。
  • 薬物療法: 痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤の内服や外用薬(湿布・塗り薬)を使用します。
  • リハビリテーション: 再発予防のために最も重要な治療です。 当院では、専門の理学療法士が痛みの根本原因にアプローチします。
    • ストレッチ: 硬くなった腸脛靭帯や臀部(お尻)の筋肉の柔軟性を改善します。
    • 筋力強化: 股関節の外転筋(中殿筋など)を強化し、ランニング中の骨盤の安定性を高め、膝が内側に入るフォームを修正します。
    • フォーム指導: 痛みの原因となっているランニングフォームを分析し、膝に負担のかからない効率的な走り方を指導します。
  • 注射療法: 痛みが非常に強く、リハビリテーションが進まない場合には、炎症を抑えるためにステロイド注射を行うことがあります。

これらの保存療法でほとんどのケースは改善します。手術が必要となることは極めて稀です。痛みがなくなっても、再発予防のためのストレッチや筋力強化を継続することが大切です。

上記の保存療法で改善が見られない慢性的な症状や難治例には、体外衝撃波治療(ESWT)も有効な選択肢となります 。これは、衝撃波を痛みの患部に当てることで、組織の再生を促し、痛みを感知する神経を鈍化させる治療法です 。メスを使わない非侵襲的な治療であり、入院の必要がなく外来で短時間で行うことができますが 、治療中に痛みを感じることがあります

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