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肩関節周囲炎(四十肩・五十肩/凍結肩)

症状

肩関節周囲炎は、一般的に「四十肩」や「五十肩」として知られ、その名の通り40代から50代の方に多く見られる肩の痛みと動きの制限を特徴とする疾患です。多くの場合、明らかな原因がなく発症し、日常生活のふとした動作、例えば髪をとかす、服を着替える、高い場所の物を取るといった動きで肩に鋭い痛みを感じるようになります。 この疾患の症状は、大きく分けて3つの時期を経て進行します。

  1. 炎症期(凍り始めの時期): この時期は痛みが最も強く現れます。安静にしていてもズキズキと痛むことがあり、特に夜間に痛みが強くなる「夜間痛」で眠れないことも少なくありません。痛みによって、肩を動かす範囲が徐々に狭くなっていきます。
  2. 拘縮期(凍結期): 痛みが少し和らぐ一方で、肩関節の「拘縮(こうしゅく)」、つまり関節が固まってしまう状態が顕著になります。腕を上げたり、後ろに回したりすることが極端に困難になり、日常生活に大きな支障をきたします。「痛みは減ったけれど、肩が全く動かない」と感じるのがこの時期の特徴です。
  3. 回復期(解氷期): 固まっていた肩の動きが、少しずつ改善していく時期です。この回復過程には個人差が大きく、数ヶ月から1年以上かかることもあります。適切なリハビリテーションを行うことで、この回復を早めることが期待できます。 これらの症状を「年齢のせい」と放置してしまうと、回復が遅れたり、肩の動きが完全には元に戻らない後遺症が残ったりする可能性があるため、早期に専門的な診断と治療を受けることが重要です。

原因

肩関節周囲炎の直接的な原因は、肩関節を包んでいる「関節包(かんせつほう)」という袋状の組織に炎症が起こり、それが厚く硬くなることによります。なぜこのような炎症が起こるのか、その明確なメカニズムは完全には解明されていませんが、加齢に伴う組織の変性(老化)が基盤にあると考えられています。

その他、糖尿病や甲状腺疾患といった全身性の病気がある方や、怪我や手術などで長期間肩を動かさなかった後に発症するリスクが高まることも知られています。しかし、多くは特別なきっかけなく発症するのが特徴です。炎症によって関節包が厚く、硬く、癒着することで、肩のスムーズな動きが妨げられ、痛みと可動域制限(拘縮)が生じるのです。

診断

肩の痛みや動きの制限がある場合、まずは専門医による詳細な問診と身体診察が不可欠です。どのような動作で痛むか、いつから症状があるか、夜間の痛みはあるかなどを詳しくお伺いし、医師が実際に肩を動かして可動域の制限の程度を確認します。

画像検査としては、まずレントゲン撮影を行い、骨折や脱臼、石灰沈着など、他の明らかな異常がないかを確認します。四十肩・五十肩自体はレントゲンには写りませんが、他の重篤な疾患を除外するために重要な検査です。

さらに当院では、診断の精度を高めるためにエコー(超音波)検査を積極的に活用しています。エコー検査は放射線の被ばくがなく、筋肉や腱、そして炎症が起きている関節包の状態をリアルタイムで詳細に観察できます。レントゲンでは分からない軟部組織の異常を捉えることで、症状の原因をより正確に特定します。また、エコーで肩の動きを観察することで、関節包の動きの悪さや、炎症の程度を視覚的に評価することも可能です。これにより、腱板断裂など、症状が似ている他の疾患との鑑別を的確に行い、最適な治療方針を立てることができます。

治療

肩関節周囲炎の治療は、病期(炎症期、拘縮期、回復期)に応じて適切な方法を選択することが重要です。治療の基本は、痛みをコントロールしながら、固まった関節の可動域を回復させる保存療法です。

注射療法

痛みが非常に強い炎症期には、まず安静を保ち、無理に動かすことは避けます。消炎鎮痛剤の内服や湿布薬を使用し、炎症と痛みを和らげます。特に痛みが強い場合には、エコー(超音波)ガイド下で正確に炎症部位を狙って行う注射療法が非常に有効です。当院では、エコーで関節包や滑液包の炎症を直接確認しながら、ステロイドやヒアルロン酸を注射することで、安全かつ効果的に痛みを軽減させます。これにより、夜間の痛みが改善され、続くリハビリテーションへスムーズに移行できます。

リハビリテーション

痛みが落ち着き、動きの制限が主となる拘縮期からは、リハビリテーションが治療の中心となります。当院では、経験豊富な理学療法士が医師と密に連携する「チーム医療」を実践しており、患者様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドのリハビリプログラムを提供します。理学療法士による徒手療法で硬くなった関節包や筋肉をほぐし、正しいストレッチや運動方法を丁寧に指導することで、徐々に関節の可動域を広げていきます。

体外衝撃波治療

当院では、体外衝撃波治療も肩関節周囲炎に対する有効な治療選択肢として積極的に取り入れています。体外衝撃波治療は、音速を超える圧力波を患部に照射することで、特に炎症期の強い痛みや、拘縮期の動きの制限に対する改善効果が期待できます。治療は通常、1〜2週間に1回の間隔で数回行い、リハビリテーションと組み合わせることでさらに高い相乗効果を発揮します。

エコーガイド下ハイドロリリース

また、当院の特色ある治療法として、エコーガイド下でのハイドロリリース(関節包授動術)があります。これは、エコーで確認しながら、癒着して厚くなった関節包に生理食塩水などを注入し、物理的に関節包を広げて剥がす手技です。これにより、拘縮が劇的に改善されるケースも多く、リハビリの効果を高めることができます。

手術療法

これらの保存療法を数ヶ月続けても改善が見られない、非常に重度の拘縮に対しては、最終的な選択肢として関節鏡を用いた「関節鏡視下関節包解離術」という低侵襲手術を検討することもあります。しかし、ほとんどのケースでは、適切な保存療法と根気強いリハビリテーションによって症状は改善します。痛みを我慢せず、ぜひ一度ご相談ください。

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