脱臼について
dislocation肩関節脱臼の症状チェック・応急処置・受診のタイミング
もしかして脱臼?自分でできる症状チェック
肩に強い衝撃を受けた後や、急に激しい痛みを感じた際に、それが脱臼なのかどうかを判断するための特徴的な症状があります。
脱臼した瞬間の症状
- 激しい痛み: 肩が外れた瞬間、これまで経験したことのないような激しい痛みに襲われます。
- 動かせない: 腕が特定の場所で固まったようになり、自分の力ではほとんど動かすことができなくなります(弾発性固定)。無理に動かそうとすると激痛が走ります。
- 見た目の変形: 正常な肩の丸みがなくなり、肩先の骨(肩峰)が角ばって見えるようになります。外れた上腕骨頭が、肩の前方などで不自然に盛り上がって見えることもあります。
反復性脱臼・不安定症の症状
一度脱臼を経験したことがある方や、関節がゆるい方は、完全な脱臼に至らなくても以下のような症状を感じることがあります。
- 不安感(アプレーヘンション): ボールを投げる、腕を後ろに回すなど、特定の動きをした際に「また外れるのではないか」という、抜けるような不安感や恐怖心を覚えます。
- 痛みや脱力感: 不安感と同時に、ズキッとした痛みや、腕から力が抜けるような感覚が生じます。
- 日常動作での不安定感: 症状が進行すると、着替えや寝返りといった何気ない動作でも、肩がガクッとずれるような不安定さを感じることがあります。
神経損傷のサインに注意
脱臼の際に、肩の近くを通る神経が圧迫されたり、引き伸ばされたりして損傷を受けることがあります。特に「腋窩神経(えきかしんけい)」という神経が麻痺すると、以下のような症状が現れます。
- 肩の外側(腕の付け根あたり)の感覚が鈍くなる、しびれる
- 腕を横に上げる力(三角筋の筋力)が入りにくくなる
これらの症状がある場合は、神経損傷の可能性があるため、診察時に必ず医師に伝えてください。
肩が外れた!その場でできる応急処置
万が一、ご自身や周りの人が肩を脱臼してしまった場合、慌てずに適切な応急処置を行うことが、その後の回復に大きく影響します。
やってはいけないこと
- 絶対に自分で戻そうとしない: 映画のワンシーンのように、力ずくで腕を引っ張って戻そうとするのは非常に危険です。骨折を誘発したり、神経や血管、靭帯をさらに傷つけたりする可能性があります。整復は必ず専門家である医師に任せてください。
- 温めない: 脱臼直後は関節内で炎症と内出血が起きています。温めると血行が良くなり、かえって腫れや痛みを悪化させてしまいます。
- 痛む場所をマッサージしない: 損傷した組織をさらに傷つけてしまう恐れがあります。
正しい応急処置の手順
基本は、怪我の応急処置の原則である「RICE処置」です。
- Rest(安静): 最も重要なことです。無理に動かさず、本人が一番楽だと感じる姿勢で安静にしてください。
- Ice(冷却): 痛みと腫れを抑えるために、患部を冷やします。タオルで包んだ氷のうや保冷剤などを、15〜20分を目安に当ててください。冷やしすぎによる凍傷を防ぐため、直接肌に当てるのは避けましょう。
- 腕の固定: 腕の重みで痛みが増すのを防ぐため、腕を固定します。三角巾があれば理想的ですが、なければ大きめのタオルやスカーフ、着ているシャツの裾などを利用して、腕を胸の前に吊るように固定すると楽になります。
すぐに受診を!病院へ行くべきタイミング
肩関節脱臼が疑われる場合は、応急処置をしたら、できるだけ早く整形外科を受診してください。時間が経つほど筋肉が硬直し、整復が困難になることがあります。
夜間や休日で専門のクリニックが閉まっている場合は、救急外来を受診しましょう。放置すると、神経や血管への圧迫が続いて後遺症が残るリスクや、骨折を伴っている可能性もあるため、自己判断で様子を見るのは絶対にやめてください。