再生医療(PRP療法)

prp

図解でわかるPRP/HD-PRP療法(種類、効果、作用機序)

PRP療法(多血小板血漿療法)とHD-PRP療法(高容量 多血小板血漿療法)

PRPとHD-PRPの違い

PRP(Platelet-Rich Plasma)療法は、患者様の血液を採取して遠心分離し、血小板を多く含む血漿(多血小板血漿)を抽出して患部に注射する治療です。血小板に含まれる成長因子が、組織の修復を後押しします。

一方、HD-PRP(High Dose PRP)療法は、PRPをさらに高濃度化して、大量の血小板を一度に供給できるようにした方法です。簡単に言うと、PRPが「標準濃度」、HD-PRPは「高濃度のPRP」。必要な量の血小板を一回で満たしやすいため、一度で効果を出しやすいのが大きな特徴です。

代表的な疾患の変形性膝関節症に治療において、必要な血小板数は平均的に約60億~100億個という考え方が近年提示されつつあります。

PRP/HD-PRPに含まれる成分の種類

血液には血小板・白血球・赤血球が含まれ、それぞれ異なる役割を担います。

  • 血小板 止血作用に加え、PDGF、TGF-β、VEGF、FGFなどの成長因子を放出し、細胞増殖・血管新生・コラーゲン合成を促進します。
  • 白血球
    • 好中球:炎症初期に集積し、異物除去と殺菌作用を担う。過剰炎症は組織損傷を悪化させるため、PRP調整で含有量を制御することが重要。
    • 単球/マクロファージ:炎症後期に登場し、壊死組織除去と修復促進。M2型マクロファージは抗炎症・組織再生に寄与。
    • リンパ球:免疫調整と慢性炎症制御に関与。
  • 赤血球 酸素運搬が主な役割。PRPでは酸化ストレスや炎症促進のリスクがあるため、通常は除去。

作用機序(組織治癒過程との関係)

組織修復は炎症期 → 増殖期 → リモデリング期の3段階で進行します。

  • 炎症期(数日) 好中球と単球が集積し、異物除去と炎症制御を行う。PRP中の抗炎症性サイトカインや成長因子が過剰炎症を抑制。
  • 増殖期(4~6週間) 線維芽細胞や筋芽細胞が増殖し、血管新生が進む。PRP中のPDGF、VEGF、FGFが細胞増殖と血管形成を促進。
  • リモデリング期(数週間~2年) コラーゲン再構築と組織強度の回復。TGF-βやIGFが細胞外マトリックス形成をサポート。

PRP調製時には、血小板濃度や白血球類の種類ごとに含有量を調整し、治療目的や治癒段階に応じた組成を作製します。

例:

  • 炎症期:白血球(好中球・単球・リンパ球)のバランスを増加させたPRPで異物除去や血管の新生をサポート
  • 増殖期・リモデリング期:好中球を減らしたPRPで炎症を抑えつつ、修復促進。

(腱の治癒過程のイメージ)

使用対象や症例ごとの選択

全体方針:患者様のご希望や状態(部位、変性の強さ、炎症の程度、既往治療)に応じて、PRPかHD-PRPを選びます。

PRP療法が向いているケースHD-PRP療法が向いているケース
筋・腱・靭帯の損傷や障害・怪我の復帰を早めたい方・軽度な炎症にお悩みの方・若い方(30代以下)・数か月間何をやっても痛みが改善せずお悩みの方・60代以上の方
関節症・関節炎・軽度な炎症にお悩みの方・若い方(40代以下)・数か月間何をやっても痛みが改善せずお悩みの方・60代以上の方

ポイント

  • 年齢はPRPの品質と効果に影響を及ぼすと考えられています。比較的高齢の方には、より少ない治療回数(基本的に1回)で効果を出すためにHD-PRPを進めています。
  • 白血球成分のバランスは個別に調整いたします。

治療のステップ(採血・分離・注射の流れ)

1) 採血(血液の準備)

医師・看護師が腕の静脈から採血します。

  • PRP:約15mL
  • HD-PRP:約80~170mL高濃度化のため多め

2) 遠心分離(PRP作製)

遠心で成分を層分離し、血小板が多い層(PRP)を抽出。平均的に20億個程度の血小板を回収できます。また、目的に応じて白血球の含有量を調整します。

3) 再遠心(PRPをさらに濃縮しHD-PRP作製)

HD-PRPでは、得られたPRPを専用カートリッジや二重シリンジ追加の濃縮処理をおこないます。これにより血小板を高密度化して、一度で必要量を供給しやすい濃度(90~150億個程度)に仕上げます。目的に応じて白血球の含有量を調整します。

4) 患部への注射(治療の実施)

準備が完了したPRPまたはHD-PRPは、関節内、あるいは腱・靭帯の損傷部周囲といった患部へ直接注射にて投与いたします。この治療は外来・日帰りで完了し、ご自身の血液(自己血)を使用するためアレルギーのリスクは低いとされています。処置にあたっては、患者様の状態や必要性に応じて、局所麻酔超音波ガイドを併用することが可能です。注射にかかる時間は数分と短いですが、施術時間は準備を含め約1〜2時間です。処置後は安全のため15〜30分程度安静にお過ごしいただいた後、そのままご帰宅いただけます。

注意:当日は入浴や激運動を避け、無理のない日常生活は可。注射部位の痛み・腫れは一過性のことが多いです。

以上がPRP/HD-PRP療法の基本的な流れです。日帰りで迅速に実施でき、自己血由来で安全性に配慮された再生医療です。

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